たけがみじゅんこのちょっといい話

2022.03.05

「参考になります」の意味

皆様から寄せられたビジネスマナーへの質問にお答えさせていただきます。今回は教えていただいたことへの言葉の返し方についてのご質問です。

【ご質問】
お客様から、ためになる話しを聞いた時に「良いお話しをうかがいました、参考にさせていただきます」と言ったところ、後から同行の上司に、“参考にする”は良くないと言われました。使ってはいけない言葉なのでしょうか。

【回答】
学ばせていただいたという気持ちは「勉強になります・勉強になりました」と伝えます。

 目上の方から教えを受け、思いもよらないことに気づかされた時は「勉強になります」と言います。自分にないものを与えていただいたという相手への畏敬の念に加え、今後の糧にしたいという感激の意味も込めて言います。会話でもメール、文書にも使える高い敬意を込めた言葉です。
 同じ状況で、間違ってよく使われる言葉が「参考になります」です。“参考”は響きは良いですが、「付け足して考える」「もう一つの方法として取り上げてみる」といった、そこに重きを置かない、つまり丁重にお断りをしている言葉です。敬意ある言葉どころか、全く反対の意味を持つ言葉です。ありがたいお話しをうかがったタイミングで使うと、嫌悪感を感じさせてしまうことになりますので、要注意です。
 同様に、名前を名乗られない方にお名前を聞きたいと質問する時の「どちら様でしょうか?」という投げかけは、「あなたは誰ですか?」と怪しんで、不審者扱いしていることとなります。この場合、「お名前をお教えいただけますか?」と、名前を聞きたいという気持ちをストレートに敬語を使って問いかけます。
 状況によっては、自分の想いと真反対の意味になる言葉があることを踏まえ、気をつけて対応したいですね。

代表取締役社長 竹上順子

2022年03月